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2006年04月04日

Ⅰ-4. 川下からの発想①

2006年4月4日

 川下からの発想。一般企業では当たり前で、消費者ニーズそのも
のを作り出したりもしている時代ですね。。これまで農家というと
作物を育てて市場に出荷すれば良いという思いがあったせいか、つ
いつい川上からの発想になっていたよう思います。

 ただ頭では分かっているけどなかなか出来ていないところも多い
ようです。例えば農家の加工品。漬物なんかが代表的ですが、とに
かく余った野菜の活用法として考えられているのが実情のような気
がします。どうせ捨てるものならば・・と言ったところでしょうが、
売り先やターゲットを考えているか疑問で、加工施設の立派さと売
上が釣合っていないというところも少なくないよう思います。

 私自身長くサービス業に従事していました。サービス業の視点か
ら考えると農業というのは非常に面白く可能性を感じました。原材
料から育てることが出来るのは農家の特権です。せっかくですから
それを利用しない手はありません。

 そして「消費者ニーズ」という言葉に踊らされすぎないのも必要
です。サービス業に従事してる時に「サービス業とはお客様のため
に仕事をしているのではない。お客様がまた来てくれるために仕事
をしているのである」と言われた言葉がいつも心にあります。

 お客様のためにであれば、値段を下げたり、量を増やしたりと要
望は際限ありません。お客様がまた来てくれるためとは「その味」
「その値段」「その量」で満足してくれ、また来てくれるというこ
とです。

 具体的に言うと、誰に食べてもらいたいかを考え味付けし、その
出来上がった商品にあった作物、品種をその商品に合った育て方で
育てるという事です。そしてリピートしたくなるかいつも考え原材
料に見合った値段を付けるのが必要です。

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2006年04月06日

Ⅰ-4. 川下からの発想②

 真の川下からの発想とは何でしょう。今では農家の加工品やお
店も増えてきました。でもまだまだ川上からの発想のように思えます。

 「農家の漬けた漬物」と聞くとどんなイメージになるでしょう。
素朴な感じはしますが、余った野菜で漬けたのかな、という感じ
がしないでしょうか。また「農家の直売店」も新鮮というイメージ
もありますが、安いが一番にくるよう思います。

 しかし発想の逆転で「漬物屋が自家菜園を持ってる」と聞くと、
そこまでしてるのか~と思いませんか。また「八百屋が自家菜園
を持っている」と聞くとこだわりを感じませんか。

 同じことなのに後者の方が有利に聞こえる。それはどちらに重き
を置いているかによります。プロである以上最終商品に責任を持つ
のは当たり前です。そうでなければ買ってもらう人に失礼ではない
でしょうか。

 しかしまだまだ農家本意の加工品や直売店が多いよう思います。
そこで捨てるぐらいならとニーズを無視したものがどんどん生ま
れてきています。

 しかしプロとして真の川下からの意識を持つと農家は非常に有
利です。種から語れる漬物屋さんはそうそういないでしょう。

 そういった意味ではこれからの農家が投資するのは固定資産では
なく本人の能力アップです。農業機械は非常に効率が悪いのですが、
人はフル活動です。

 プロの知識と意識を持った農家が現場からこだわりをもって語
る。これからの農家には不可欠なことです。

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2006年04月07日

Ⅰ-4. 川下からの発想③

プラスα①

 「安全」で「おいしく」て「価値のある価格」。これだけでも
大変かもしれませんが、今では当たり前になってきています。。
中身はともあれ表面上無農薬野菜なども溢れてきているのが現状
です。

 そうなってくるとこれまでのようにただ単に無農薬であるとか
有機であるといっても売れなくなってきます。そして淘汰されて
いくのが小さい農家でしょう。

 小さい農家の最大の武器とは何でしょう。それは農家であるこ
とです。禅問答のようですが以前と違い「帰農」という言葉も定
着し、農へのイメージが良くなってきています。農家という生活
スタイルに憧れる人も多くなっているのである。

 せっかく憧れをもってくれているのである。自信をもったスタ
ンスでメッセージを出せば人はついてきてくれるのではないでしょ
うか。

 とかく農家は卑下しがちですが、誰も辛気臭いところから買い
たくないものです。食べたら元気を分けてくれそう。そういう情
報を出していくのがこれからの農家のつとめです。

 「作物」を舌だけでなく心でも味わってもらえれば必ずリピー
トしていただけます。リピートしてもらえることが本来のサービ
スであるとするなら、農家の最大のサービスとは農的雰囲気をも
伝えることではないでしょうか。

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2006年04月10日

Ⅰ-4. 川下からの発想④

プラスα②

 農家からの情報ということで、我が風来では毎日畑日記をつけて
ホームページで公開しています。

 ネット販売というととかくテクニックを追いがちですが、最終的
には中身です。そしてデジタルな世界で左脳的と思われるかもしれ
ませんが、右脳的要素が強くなってきています。

 ネット検索で新しいページを見る人の1ページあたりの閲覧時間は
平均5秒といわれています。そうなってくると感性で見るようになっ
てきます。感性の世界ではどんなに言葉を繕ってもうそがバレます。

 そういった意味でも日々の更新や積み重ねが必要になってきます。
毎日書いていると人柄が必ず出てきます。人柄を出すことがどん
な認証制度よりこれからは肝心になります。

 風来のお客さんでキムチを食べられた感想で「このキムチの白菜
の種は3月1日に蒔かれたものですね。食べていて風景が浮かんでき
ました。」というのがありました。まさに心で食べていただけてる
んだな~と思いました。

 最初買われるのは目や頭。そして舌で感じてもらう。それが普通
です。さらに心で味わってもらう。農家にはそれが出来ます。

 情報を開示する。これからは無農薬であることよりも、どうし
ても使用しなければならなくなった場合、そのことをキチンと言
える関係性を作る。それが互いのために必要だと思います。

 間に流通が入れば入るほど、関係性が遠くなります。関係性が
遠くなればなるほど、農家も「食」を「商品」しか感じなくなり
ます。

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2006年04月11日

Ⅰ-4. 川下からの発想⑤

知域

 ミニマム主義農家における川下からの発想は、いかに食べてく
れる人と繋がるかにあります。かかりつけの医者ならぬ、かかり
つけの農家にまでなれれば最高ですね。

 そんな中で重要になるののが「知域」です。「知域」とは私の
造語になります。

 以前ごく近所のスーパーさんとお付き合いしていました。しかし
どれだけ近くとも反応が全然聞こえてきません。きっと買われたお
客さんも意識はしてないだろうし店員にいたっては数ある商品の中
のひとつにすぎなかったのでしょう。サービス業出身でしかもこだ
わって作っている立場としてはそれが我慢なりませんでした。

 ところがネット販売のお客さんはよく反応を返してくれます。も
ちろん顔は見た事はありません。しかし交流はあります。果たして
距離は近いが反応がないお客さんと距離は遠いが反応を返してくれ
るお客さんどちらが近しく感じ、またリピーターになってくれるだ
ろう。

 こういった関係が私が定義するとことの「知域」です。これまで
は「地域」と「知域」はイコールでしたがインターネットの発達、
そして流通機構によって昨今は事情が変わってきています。

 ただし農という特性上、最終的には顔が見えた上で交流もある
「地域」が一番です。「知域」と「地域」が一致すれば何にもま
して堅実です。しかし新しいことをするとなると農業が出来る
田舎は最初なかなか大変です。

 今の時代ある程度足腰が強くなるまで「知域」を広げ、そして
「地域」に帰ってくるのが無理のないやり方ではないかと思います。

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2006年04月12日

Ⅰ-4. 川下からの発想⑥

売上基準金額①

 サービス業出身として、その視点で見ると農業には可能性があ
り魅力的でした。そんなサービス業は川下からの発想は当たり前。

 そんな川下からの発想を経営に活かしたのが「売上基準金額」で
す。「売上基準金額」という言葉もあまり聞いたことがないと思い
ます。

 普通は一般的に使われているのは「売上目標金額」は、それが
月単位にしても年単位にしても文字通り目標とする売上金額のこと
でそれ以上売り上げがあがればよいというものです。

それに対して「目標基準金額」はその基準とする目標金額のプラス
マイナス5%以内に売上をもっていこうとする考え方です。

 基準とする金額5%以下の売上であれば、普通の「売上目標金額」
と同じく反省します。農業の場合は作付けや天候、売り方などな
ど色々と原因はあるでしょう。

 違うところは基準とする金額5%以上の売上があった時も「働きす
ぎた~」と反省して自制につとめなければならないということです。

 一見、今の経済社会では考えられないかと思いますが、これから
の新しい考え方だと思います。「売上基準金額」お奨めします。

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2006年04月14日

Ⅰ-4. 川下からの発想⑦

売上基準金額②

 さて今の経済至上主義では考えられない「売上基準金額」です
が実際にやってみると思った以上の効用がありました。

 まず、売上に上限を設けることで、やるべき事がハッキリと見
えてきます。とにかく拡大とすると、特に農業ではあわやくばと
いうのがあります。

 その気持ちでいるともう少し面積を広げる時に備えて、少しい
い機械を買っておくか、とか多めに育てるか、広めに作るか、な
んてなってしまいます。

 その点、ここまででいいと決めておくと無理な投資もする必要
がありません。無借金経営も充分可能です。借金のない農家。気
持ち的に心強いですよ~。

 そして目標基準金額を実践してから思いがけない副作用もあり
ました。売上を上げようとしていた時は、多く売れる方がお得意
さんで、またグレードの高いところで取り扱ってもらうことを良
しと思ってました。つまり売り先にランク付けをしていたのです。

 しかし基準がクリアできそうだと分ると、売る必要がない、売
れる量が決まっているので相手に合わせる必要がなく立場が強く
なれました。つまりお客さんにも貴賎をつけなくなったのです。

 何より販売のストレスから解消されました。

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2006年04月17日

Ⅰ-4. 川下からの発想⑧

2006年4月17日

売上基準金額③

 さてそれでは「目標基準金額」の金額をどう算出すればようの
でしょう。

 「目標基準金額」は川下からの発想を経営に応用したものです。
本来は何をやるにしても目的が必要であると思います。一般的な
経営の場合も金額目標はあるにせよ、その先がありません。

 なぜ、その金が必要なのであろう。それを考えないから、前年
対比何%アップなどと、とにかく売上金額を増やしたいという方
向になってしまうのではないでしょうか。

 ミニマム主義において、真の目的とは「幸せに暮らすこと」で
す。農的暮らしの中で幸せに暮らしていくには、どのくらいの収
入があれば良いのか?その収入から逆算して売上げ金額を算出す
る。そうすると「目標基準金額」が見えてきます。

 幸せの原点は「比べない」「足りるを知る」です。それが今の
日本にはあまりにもありません。

 お金はあればあるだけいい。スピードは速ければ、速い方がい
い。小さいより大きい方がいい。なんてしていたらキリがありま
せん。

 こんなことを言うと今の日本では負け惜しみになってしまいま
すが、実践者が保障します。ミニマム主義は幸せへの近道である
と。

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2006年04月19日

Ⅰ-4. 川下からの発想⑨

売上基準金額④

 「目標基準金額」という考え方は色々な業種に使えるし、自分で
言うのも何ですが、最先端の考え方だと思います。ただ一番分かり
やすいのはやはり農業です。

 不思議なことに、日本の農業界では規模拡大=面積拡大と考え
てるきらいがあります。しかし土地、機械、人件費などが桁違い
に高い日本。表面上の売上は上がっても利益率はどんどん下がって
いくというジレンマがあります。売上げは1億、収入は400万円以下
というのもザラにある世界です。

 それよりは売上はそのまま、原価率を下げていった方がよほど割
りが良いのです。実際調べてみると日本の農業の場合、野菜農家、
米農家、果樹農家と最適面積があります。

 よく企業を大きくする事は、税金を多く納めることが出来る。ま
た社員など働き場所を創出するということで社会貢献になる、とい
うような論理も聞こえてきます。

 それではそう言っている経営者は、いち社員に戻れるのでしょう
か。もちろん小人数では出来ないこともあるのですべての業種でミ
ニマム主義が良いとは思いません。

 しかし経済的に独立した人が沢山出てくれば社会にも責任感が出
てきてより良い社会にもなっていくと思います。そして農業の場合
は独立した方が何といっても面白いし、家族単位の独立経営にこれ
ほど向いた職種はありません。

 農家をやるなら独立農家に限る!!

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2006年04月20日

Ⅰ-4. 川下からの発想⑩

売上基準金額⑤

 右肩上がりが当たり前、昨年と同じ売り上げならそれは危惧す
べきこと、実質マイナスであるなどとよく言われます。

 経済の論理だけが際限のない、右肩上がり。でも現実社会はす
べて円、サークルを描いています。経済も大きな目で見ると必ず
バランスが取れていて、どこかの売り上げが上がればどこかが下
がっている。また経済が発展すればするほど環境が破壊されてい
るとも言えます。

 「目標基準金額」の話をすると「あなたのところは目標基準金
額をクリアなされているようですが、そうすると、この先やる事
がないのでは?」と良く聞かれます。

 そう質問される方はまだまだ経済至上主義の考えから抜け出て
いないのである。この世界情勢、お金を稼ぐ以外にもやる事は多
々ある。それこそ体で出来る社会貢献がたくさんあるし、それこ
そが一番必要なのではないかと思います。そして「農」の社会貢
献度はこれからますます大きくなってくるはずである。数字にか
まけている場合ではないのだ。

 農業という産業は環境と共存出来る数少ない産業なのです。

 そして自然の恵みである「農」に真摯に向き合うと今の経済至
上主義と農は合わないということが見えてきます。農家は収入が
少なくともあんがい豊かな暮らしが出来るのはご承知の通り。

 それを収入が「少なくても」ではなく、収入が「少ないからこ
そ」精神的に豊かな暮らしが出来ると前向きに考えるひとつの手
段が目標基準金額でありミニマム主義です。

 資本主義は稼ぐ自由もありますが、稼がない自由というのもあ
るのです。せっかく「農」の道を選ぶなら、心が自由な道を選び
ましょう。

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