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2006年11月15日

Ⅲ-2. 農業研修②

 さて、まったく農業をしたことがないという人にとっては不安の
多い就農。第一歩目は研修先探しでしょうか。

いわゆる農業研修です。農業研修は大まかに分けると各県の農業
試験所などの新規就農者育成機関での研修、もうひとつは実際の
農家さんのところで研修する方法です。

今、各県の農政では新規就農支援ということで力を入れています。
そういった意味では受け入れ体制が出来ているといえるでしょう。

石川県のアグリ塾など無償で1年の研修が出来たり、週3回などの
コースもあります。まったく土に触ったことがない人にとっては
よい経験になるかもしれません。

しかし行政は広く浅くという傾向があり、そういった塾でも例外
ではありません。

1年の間に米、野菜、果樹、花卉など幅広く学ぶことになります。
知識を得るという意味ではよいのですが、実践となると弱いのが
現状です。

また行政は過半数の論理で動きますので、無農薬栽培、有機栽培
などの分野では立ち遅れています。

以前、そういった機関へ、「新規就農者にとって最も不安なのは
販売先、販売への不安である。引き売りカーでも作って自分で育
てたものを売る実地をやるべきでないか。」と提言したことがあ
ります。

 

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2006年11月16日

Ⅲ-2. 農業研修②

 農業試験所などでの研修は知識を得るためにはよいのですが、実
践面では弱いところがあります。

そういった意味では農的暮らしを目指す農家にとっては直接的で
はないと思えます。むしろ無農薬栽培は出来ないなど固定観念を
植え付けられる可能性もあります。このあたりは公的機関の弱点
でもあります。

ただし少しづつではありますが、変わってもきてますし、農的暮
らしを目指す農家を支援してくれる人も中にはいます。あくまで
も勉強という意味ではよいかもしれません。

農業簿記なども教えてくれますのでそういった点ではよいでしょ
う。

公的機関の研修明けで怖いのが(あえてこの表現を使います。)
お金を貸してくれるということです。いわゆる新規就農資金とい
うものです。

これが滅法有利な条件です。機関が認めた場合、地域によって違
いますが、500万円まで無利子、返済は6年目というのが平均でしょ
うか。

中小企業や零細企業の社長さんが聞いたら怒り出しそうな条件で
す。しかしよいことばかりではありません。

諸々の条件がついてきます。そしてそれはミニマム主義とはほど
遠いものとなります。

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2006年11月17日

Ⅲ-2. 農業研修③

 新規就農資金、経験もない人が500万円、無利子。しかも支払いは
6年後からというのどから手が出そうな資金。

しかし借金は借金です。ここがポイントです。

しかもその新規就農資金には色々な制約がついてきます。これが
くせもの。

その資金を借りるには栽培計画、経営計画を提出しなければなり
ませんが、農的暮らしが目的なんていった日にはもう借りること
は出来ません。

京都であった例では、米をやりたいと思って就農したけど、現存
する米農家に配慮して米作りは許してもらえず、その時、はやっ
ていた京野菜、水菜を作れといわれたそうです。もちろん市場出
荷しか許されません。

金を借りた上に制約がつく。借りた方にも責任感が出にくいので
しょうが、貸す方も責任感がないよう思います。

提出した計画も計画通りいくことは100%ありません。市場出荷で
出来るのであれば既存の農家さんは誰も困りません。

またその資金の購入先すら決められてしまうのが慣例です。JA
(農協)以外から購入しようとすると資金がおりなかったりしま
す。

そしてその農協ではホームセンターや業者から直接買うより2割ぐ
らい高いというのが相場です。

つまり無利子で借りられたとしても結果的には2割の利子がついて
いるようなものです。

そういったことを考慮していかなければなりません。

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2006年11月21日

Ⅲ-2. 農業研修④

 より実践的な研修先としてはプロの農家さんがあるかと思います。
プロ。どの点がプロかということをよく考える必要があります。

真っ先に思いつくのが農業法人でしょうか。法人化された農家で
研修生募集をしているとなると低いですが賃金も出ますしそういっ
た点では魅力があります。

研修生、従業員を募集している法人農家さんに研修を行くのは、
収入に不安のある転換期としては収入があって、農業研修が出来
るとなると一石二丁と思えるかもしれません。

もうひとつは有機農業者など個人農家さんに頼み込んで研修する
と方法でしょうか。こちらは人手を求めていない限り、賃金は出
ないことが多いですし逆に滞在費がかかることもあります。

しかし将来独立を目指す農家にとっては農法、経営とも直接的に
参考になります。

どちらにしてもいいところ、悪いところがありますし、アプロー
チの仕方にもコツがあります。

それぞれについてはこの後、述べていきたいと思います。

いずれにせよ、行きたいと思ったところがあるとすれば、そこは
農家で何かを販売していると思います。

そのものを一度購入してみるのをお奨めします。自分に合うかど
うか、姿勢はどうかなど味に出ます。そして迎える側にしても一
度購入してくれた人を悪く思う人はいないでしょう。

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2006年11月22日

Ⅲ-2. 農業研修⑤

農業法人での研修。私もそうでした。とある雑誌を見ての飛び込
み。今考えるともっと下調べをすべきだな~と思いました。

自家野菜を育てての漬物加工が自分のやりたいこととピッタリだ
と思ったからです。

しかしそこの内情は自分が思っているところと違っていました。
しかし今考えると、色々な意味でよかったなと思います。居心地
がよすぎると独立する気概がなくなってしまったかも・・。

農業法人で研修して独立農家を目指すのなら研修期間を区切った
方がよいでしょう。

ひとつにはそれほど高くないとはいっても収入があるので、それ
に慣れてしまうと独立が怖くなります。

独立農家になるなら誰しもスムーズにいきたいと思うでしょうが、
どこかで勝負をしないといけません。なまじ収入があると見る目
も甘くなってしまいます。期間を区切ることによって研修内容を
見る目も変わってきます。

また雇う側にとってもいつまでいるか分からないと使いづらいも
のです。農業は一年一作というのも少なくありません。

まかせられるぐらいの技術が身に付くには3年はかかります。それ
までは使えるように育ててくれているのです。

しかし技術が身に付いた時点で独立したいでは、研修先側にとっ
てはメリットがありません。

研修先はその後も大切な相談相手となります。「飛ぶ鳥後を濁さ
ず」を研修前から考える必要があります。

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2006年11月24日

Ⅲ-2. 農業研修⑥

 一年一作が当たり前の農家。技術がつくまでと研修をしていたら
いつまでたっても独立できません。

まずは責任感が違います。どんなに厳しい研修先でも最終責任は
自分ではなくすべて研修先にいきます。そういった状況では仕事
の覚え方も違ってきます。

自分で育ててみて初めて分かることが多いのが農です。ベストな
のは研修しながら家庭菜園レベルでもはじめてみると技術習得の
速さが違います。

研修期間につきましては本気で独立する気があるのであれば1年で
いいと思います。先の理由で独立の気概があれば見る目も違って
きますし甘えもなくなります。

また研修先にしても、研修生を従業員と同じ感覚で使うところが
多いのが現状です。ヘタすると安い人件費で雇えると使っている
ところもあります。

そして研修を迎える側にしても高価な農業機械などヘタに触って
壊されると大損害ですし、作業にしても手順ミスから種が混ざっ
たり、全滅されてはことです。

そうするとどうしても単純作業をしてほしいと思うのが人情です。
そのあたりを分かった上で農業技術から経営、販売ノウハウまで
盗む気概で研修しなければなりません。

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2006年11月27日

Ⅲ-2. 農業研修⑦

 それでは具体的にどのくらいの研修期間がいいのでしょうか。私は
1年でいいと思います。

1年しかないと最初から思っていると真剣みが違います。実際のとこ
ろの農業技術については経験とともについてくるというのが本音で
す。

ただその一年の間にどのやり方が自分に向いているかを見極めてい
かなければなりません。

研修の心構えについてです。農業となると最初に目を奪われるのが
ハデな仕事。まあ花形といえばトラクターやコンバイン、またフォー
クリフトなどを動かしてみたいと思います。

まあ高価な機械ですのでなかなか乗らせてもらえませんが、それで
いいのです。研修を受け入れるような農業法人さんといえば基本的
に大規模農業です。

これから独立してなんて考えている人とは農業機械の大きさも種類
も違います。

農業機械も習うより、慣れろです。自腹を切った機械を乗りこなす
ことが上達の近道でもあります。ただ最低限のレベルを知っておい
た方がよいでしょう。

そして農業研修というと農業技術を真っ先に習おうというのは間違
いではありませんが、独立したときに悩むのが経理と販売先です。
これらは鶏は先か卵が先かという問題にも似ています。

その研修先の経理はどのように行っているのか、また売り先はどう
確保しているのか。こちらは独立してしまうとなかなか習うことが
出来ません。まずはその2点をじっくり観察するべきでしょう。

2006 11 27 | この記事へのリンク | トラックバック (0)


2006年11月30日

Ⅲ-2. 農業研修⑨

 公的施設でもなく、農業法人でない、小さい農家さんへの研修。
無農薬農家さんで頑張っているところも沢山あります。

そういったところで研修するのはとても直接的で、独立農家の道
に直結しています。

無農薬農業は雑草管理などで人手は足りないので、手伝いは助か
ります。しかし小さいが上に人を雇うほどの余裕がないのも実情
です。

そういった意味では研修と割り切って無償で働くというのも手で
す。探せば宿泊とご飯は出してくれるというところもあります。
勉強になること間違いなしです。数年の無償の働きが将来の大き
なプラスになると思うと学校に行ったと思えばそれほどではない
かもしれません。

しかし住み込みとなると気が合うか合わないかは大きな問題です。

そこでお奨めなのがボラバイトを斡旋してくれるWWOOFなどを利用
することです。

WWOOFとは「Willing Workers On Organic Farm」の略で、直訳で
は「有機農場で働きたい人たち」という意味であり、金銭のやり
とりを伴わず、「食事・就寝場所」と「労働力」を交換する制度
のことです。

1970年代にイギリスで始まり、現在では世界50カ国以上に広がっ
ています。ただパーマカルチャー関連ではやはりオーストラリア
やニュージーランドが受入先として最も多いようです。

日本では1993年に立ち上がり、2002年に本格的な活動が開始され
ました。

こういった機関を利用していくつかの農家をまわり気に入ったと
ころに本格研修をお願いするというのもいいでしょう。

2006 11 30 | この記事へのリンク | トラックバック (0)


2006年12月01日

Ⅲ-2. 農業研修⑩

 日本の有機農家。今は先人の苦労のおかげで色々なパターンもあ
るかと思いますが、基本は育てた無農薬野菜を野菜セットにして
宅配するというパターンでしょうか。

日本の草分け的な有機農家さんはほとんどがそうされていたと思
います。そこには無農薬野菜の市場がなかったこともありますし、
認められていないというものあったでしょう。何よりそんな想い
を込めて育てた野菜たちが市場だと不当な値段で取引されること
から売り先自主開拓になったかと思います。

そんな訳で小さな有機農業者のところに研修に行くと栽培技術だ
けでなく、販売など色々なことが学べます。

ただし個性が強いというかアクが強いというのもポイントです。
まあアクが強くないとやってこれなかったというのもあるでしょ
うね。

そうなるとこれしか許さん、このやり方が一番ということもあり
ます。実際草分け的存在の有機農家さんの集まりでは、傍から聞
くと同じことなのに議論がぶつかることがシバシバあります。

しかし農業はその場、その場によって気候も違えば、土も違いま
す。もちろん地域の人間関係もあります。

そのあたりも見極める必要があるでしょう。ただし良い師匠につ
くと独立した後も力強い味方になってくれます。

あとそういった農家さんはとにかく生命力があります。色々なも
のを手作りしたりとそういった工夫するところも学べます。

ただし規模が小さい分色々なことを期待されます。出来ることは
出来る、出来ないことは出来ないと言うことが結果的には信用に
繋がります。

2006 12 01 | この記事へのリンク | トラックバック (0)


2006年12月07日

Ⅲ-2. 農業研修⑪

 公的機関にしても農業法人にしても有機農業者にしても、農業研
修については随分受け入れ態勢が出来てきたと思います。

ただどこにしても、学ぶこちらが何を学ぶかという姿勢をハッキ
リしないと得るものは少ないと思います。

何回か書きましたが自然相手の農業は1年かや2年ですべてをマス
ターしようというのがどだい無理なのです。まあ10年やってもま
だまだという世界ですのでしかたがありませんが。

でもそういった前提で見ていく目も必要です。それには研修と平
行して家庭菜園でも貸し農園でも自分で借りて実際に育ててみる
というのが一番よいです。

研修先によっては畑を貸してくれるところもあるでしょう。そし
て実際にやってみることによって分からないところも見えてきま
すので質問も具体的になります。

あと独立農家になるのであれば欠かせないのが経営、そして販売
先確保のノウハウです。

研修先も市場出荷でなければ、いた市場出荷であっても最初、イ
チから探したことが間違いありません。その第一歩を教わるのが
一番の近道です。

そして研修中に一番必要なのはネットワークを広げることです。
研修時期に知り合った仲間は商売が絡まないのでしがらみがなく
後々とても力になってくれます。

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